過去のこの期間、世の中では何が起きていたのでしょうか?20年前・15年前・10年前・5年前の出来事を振り返ってみます。日々のニュースと照らし合わせて、過去の出来事がどのように現在につながっているのか見えてくるかもしれません。
2005年(平成17年)12月1日~12月10日の出来事
【国内】児童への加害事件
2005年12月1日に栃木県今市(現・日光市)で小学1年の吉田有希ちゃん(当時7歳)が下校途中に行方不明となり、約23時間後に茨城県内の山林で胸などを多数刺された状態で遺体で発見されました。これを受けて政府・自治体は通学路の点検や見守り活動の強化、学校・警察の連携を打ち出し、12月7日ごろには登下校時の安全確保や通学路の総点検などを含む緊急的な対策が全国的に呼びかけられました。
さらに12月10日には京都府宇治市の学習塾で当時23歳の非常勤講師が小学6年の女児を刃物で刺し殺す事件が発生し、塾や学校での安全管理が改めて問題となりました。
これら一連の事件は地域や学校での見守り体制強化、通学路の安全対策(安全マップやパトロール、防犯ブザーの推奨など)を速やかに進める契機となりました。
【国内】ジェイコム株大量誤発注事件
2005年12月8日、東証マザーズに新規上場した人材派遣会社ジェイコム(当時)の株式取引において、みずほ証券による誤発注が発生し、市場が大混乱に陥りました。
担当者が本来「61万円で1株を売る」と入力すべきところを、「1円で61万株を売る」と誤入力。発行済み株式数を遥かに超える巨額の売り注文となり、株価はストップ安となりました。みずほ証券はすぐに取り消しを試みましたが、当時の東証システムの仕様なども影響し、取り消しが機能しませんでした。
結果として約400億円もの損失を招いたこの事件は、東証や証券会社のシステム管理体制、誤発注時のルール(取り消しや売買停止)が見直される直接的な原因となりました。

2010年(平成22年)12月1日~12月10日の出来事
【国内】関西広域連合が発足
2010年12月1日、全国初の都道府県連合「関西広域連合」が発足しました。
発足当初は府県の足並みを揃えた2府5県(滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、徳島)が参加し、広域の防災、交通、環境、産業振興などを共同で計画・実行するための基盤が整備されました。設立に至るまでには2007年以降の準備会議や各府県議会での議決、総務大臣への設立許可申請などの手続きが行われ、2010年11月の申請を経て12月1日に設立が確定しました。
発足後は広域連合としての事業を段階的に展開し、地域の道路・防災対策や観光振興、産業連携などの共同施策を実施しました。

【国際】ウィキリークスによる米外交公電の暴露(Cablegate)と世界的反応
2010年11月末、内部告発サイト「ウィキリークス」が、米国の在外公館が本国に送っていた外交公電を公開しました。これらは各国の政治状況や要人への評価などを記したもので、総数は約25万件にのぼり、過去最大規模の外交文書リークとして大きな衝撃を与えました。
12月上旬にかけても公開は段階的に続き、世界各国の政府・メディアが内容を分析しました。アメリカが同盟国の要人について率直な人物評を書いていたことや、各地域の外交戦略が細かく記されていたことなどが明らかになり、国際社会での反応はさらに広がりました。
日本でも外務省を中心に、公開文書の中に日本関連の記述が含まれているか、外交関係に影響が出るかどうかが注目されました。国内メディアも連日分析を続け、外交情報の扱い方や日本の情報管理体制について議論が起きました。
この公電公開は、ウィキリークスが英紙ガーディアンや米紙ニューヨーク・タイムズ、スペイン紙エル・パイスなど主要メディアと協力し、事前に編集・整理した上で発表するという方式で進められました。一方で、ウィキリークス自身によるデータ公開も同時進行し、世界に一気に情報が広まる結果となりました。
公開の余波はIT業界にも及び、ウィキリークスを支援していた企業がサービス提供を停止するなどの混乱も発生しました。アメリカ政府は機密情報の扱いを全面的に見直し、関係者保護や情報流出対策の強化に踏み切りました。
今回の「Cablegate」は、外交文書の扱い、情報公開のあり方、そして安全保障とのバランスについて、国際的な議論を生んだ出来事として長く記憶されることになりました。
2015年(平成27年)12月1日~12月10日の出来事
【国際】サンバーナーディーノ銃乱射事件
2015年12月2日、米カリフォルニア州サンバーナーディーノで福祉施設が主催する地元の人々を集めたイベントが施設職員に襲撃され、複数の死傷者が出ました。
犯行は屋内で複数の銃器と即席爆発物が用いられる形で行われ、被害は大きく、死者は14名、負傷者も20人前後に上りました。容疑者(サイード・ファルクと シュフィーン・マリク)は現場で射殺され、FBI は当初から事件をテロ関連の可能性として扱い、捜査を進めました。シュフィーン・マリクが攻撃開始直後にソーシャルメディア上で過激派組織への忠誠を表明したとされ、当局は「過激思想に触発された動機」が重要な捜査線だったと発表しました。
犯行に至るまでの経緯については、夫妻の準備行為(爆発物や大量の弾薬の入手、現場での行動計画)やデジタル証拠の処理が捜査の焦点となりました。捜査で明らかになった点から、夫妻は外部テロ組織に直接指示された証拠は見つかっておらず、「国外勢力に触発された個人による暴力」である可能性が高いと見られました。各種報道は犯行の動機、準備経路、周囲とのコミュニケーションの検証を続けました。
事件後、米国内では銃規制と対テロ政策の議論が再燃し、捜査は通信記録やSNSの記録解析、国境管理やビザ審査の在り方など多面的に進められました。また、被害者の遺族はソーシャルメディア企業への対応を問題視し、後年に複数の訴訟や議論が持ち上がりました。長期的には、職場安全対策・公共施設の警備強化・テロ対策情報の共有体制の見直しにつながる事案となりました。
【国内】 改正航空法(無人航空機=ドローン規制)の施行
2015年12月10日、無人航空機(ドローン)を対象にした航空法の改正が施行されました。
従来の航空法の改正規定が施行され、無人航空機(ドローン)に対する安全ルールが法的に整備されました。改正では、空港周辺や人口密集地上空、高度150メートル超の空域など、飛行が制限される区域が明確化されたほか、原則として昼間・目視内飛行(VLOS)や物件投下の禁止、操縦者の遵守義務、国土交通省長官への飛行許可手続きが必要となる場合が定められました。これにより、商用・趣味を問わず無人機の運用には法令順守が求められる枠組みが導入されました。
その後も登録制度の導入やレベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)の解禁など、ドローンの産業利用拡大と安全確保の両立に向けて、法改正はこの2015年を起点にアップデートされ続けています。


2020年(令和2年)12月1日~12月10日の出来事
【国際】COVID-19ワクチン(コロナワクチン)の接種開始が始まった
2020年12月初旬、複数の国で新型コロナウイルスワクチンの緊急承認・実用接種が開始されました。まず英国では医薬品規制当局がファイザー–ビオンテック社製ワクチンを承認し、12月8日に90歳の女性が公的接種の最初の受給者としてワクチンを受け、NHSによる大規模接種が始まりました。これを皮切りに、各国で承認手続きと優先接種計画(医療従事者・高齢者等)が進められ、ワクチン供給と物流(特に超低温保管)や接種体制の確立が急務となりました。
2019年末以降のパンデミック拡大を受け、世界中で複数のワクチン候補が短期間で臨床試験を実施しました。ファイザー–ビオンテック社のワクチンは第3相試験で高い有効性が示されたため先行して緊急承認が出され、承認に伴い接種計画が急展開しました。承認後は供給量の制約、コールドチェーン(低温物流)の整備、優先順位の設定といった運用面の課題が直ちに顕在化しました。
接種開始後、米英欧を中心に段階的に接種が拡大し、2021年にかけて多くの国で高齢者や医療従事者、リスクの高い層への優先接種が進みました。ワクチン導入は感染流行の抑制に寄与した一方で、供給格差や変異株への対応、接種間隔やブースター接種の是非など新たな課題も生じ、各国で政策対応が継続的に行われました。世界的な接種データや評価は継続的に更新されています。

【国内】小惑星探査機「はやぶさ2」の回収カプセルが地球へ帰還
2020年12月6日、JAXAが打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ2」のサンプル回収カプセルがオーストラリア南部ウーメラの禁止区域に着陸し、カプセル本体や耐熱シールド、パラシュートの回収が実施されました。回収後、カプセル内の大気試料抽出やサンプル検査が段階的に行われ、小惑星「リュウグウ」から採取された微粒子の解析が期待されました。一方、本体探査機はカプセル放出後に地球をフライバイして軌道を修正し、次の探査目標である小惑星「1998 KY26」へ向かう延長ミッションに移行しました。
はやぶさ2は2014年に打ち上げられ、2018年に小惑星リュウグウに到着して表面観測と試料採取を行いました。複数の着地・衝突実験を経て採取したサンプルを地球へ持ち帰るため、2020年に帰還運用が行われ、カプセル分離・再突入の精密誘導のうえオーストラリアでの回収が計画どおり実施されました。これにより太陽系形成や有機物の起源に関する研究が前進することが期待されました。
回収カプセル内の試料はJAXAと国際共同研究チームによって慎重に解析され、初期の研究成果が論文や報告として発表されました。また、本体探査機は予定どおり延長ミッションに移行し、将来的に小惑星「1998 KY26」への到着(2031年予定)をめざして運用が続けられることになりました。はやぶさ2ミッションはサンプルリターン技術と惑星科学の両面で大きな成果を残しました。


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