【あの日の出来事】過去の11月1日から11月10日【そのとき何してた?】

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過去のこの期間、世の中では何が起きていたのでしょうか?20年前・15年前・10年前・5年前の出来事を振り返ってみます。日々のニュースと照らし合わせて、過去の出来事がどのように現在につながっているのか見えてくるかもしれません。


2005年(平成17年)11月1日~11月10日の出来事

【国内】那賀川に現れたアゴヒゲアザラシ「ナカちゃん」

2005年11月2日に、徳島県那賀郡那賀川町(現・阿南市)の那賀川の中州でメスのアゴヒゲアザラシが確認され、町民やマスコミの間で「ナカちゃん」と呼ばれるようになりました。

当初はなぜ那賀川に現れたのか原因は不明でしたが、住民や関係者は驚かせないよう配慮しつつ保護に努め、工事の中断なども行われました。ナカちゃんは人々に愛される町の人気者となり、出没するたびに見物客や報道が集まりました。

その後も那賀川に居着き、地域の話題を長期間にわたって提供しましたが、2006年8月27日に那賀川で死亡が確認されました。

【国内】「フェロシルト」問題:石原産業をめぐる行政・捜査の本格化

2005年10月に表面化した、石原産業が販売した埋め戻し材「フェロシルト」に産業廃棄物が混入されていた疑惑は、11月上旬に入って行政や警察の対応が本格化しました。

三重県や岐阜県、愛知県などで使用された現場の撤去要求や住民説明会が相次ぎ、三重県は11月5日付近に廃棄物処理法違反の疑いで捜査を進める方針を明らかにしました。製造過程で別工程の廃液が混入されていたことや、回収・撤去の膨大な費用負担が問題点として追及され、2005年末から翌年にかけて検証や強制捜査、説明会、地元住民の要望が続きました。

最終的には不正処理の実態が明らかになり、企業側への行政処分や地域での撤去・対策が進められることになりました。


2010年(平成22年)11月1日~11月10日の出来事

【国内】 尖閣沖衝突映像がインターネット上に流出し波紋が広がる

2010年9月7日に尖閣諸島付近で発生した中国漁船と日本の海上保安庁巡視船の衝突映像は、当初政府側が証拠保全などを理由に公開を抑えていました。ところが11月4日、海上保安庁が所蔵する映像の一部がYouTubeなどに流出し、合計で数十〜数分単位のクリップがインターネット上に投稿されました。(尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件

流出映像は衝突の様子や巡視船の無線音声を含み、国内では「公開すべきだ」という声と「機密や証拠保全の観点から問題だ」という対立が起き、野党や国会でも映像の取り扱いが大きく論点となりました。中国側も映像の拡散に懸念を示し、外務省などが対応を求められる場面があったほか、映像流出を巡っては海上保安庁内部の情報管理体制に対する批判や、最終的に流出経路を巡る捜査(内部からの持ち出しや外部への送付の事実確認)が進められました。

流出後、政府は公開に慎重な姿勢を続けつつも、一部を国会で議員に限定公開するなどの対応を行い、流出事件自体は刑事捜査の対象となりました。

【国際】立て続けの航空機トラブル

2010年11月上旬、世界の航空機産業にとって立て続けに緊張が走る出来事がありました。

カンタス航空A380、エンジン破損で緊急着陸

11月4日、オーストラリアのカンタス航空が運航するエアバスA380型機(QF32便)が、シンガポール発シドニー行きの途中、インドネシア・バタム島上空でエンジンの一部が破損し、緊急着陸しました。
幸いにも乗員・乗客469人にけがはありませんでしたが、エンジンカウルの一部が吹き飛ぶほどの損傷があり、機体の外板や翼の一部にも被害が確認されました。

調査の結果、英ロールス・ロイス製「トレント900」エンジンの設計上の欠陥が原因とされ、世界中のA380運航会社が一時的に運航を停止。
航空機史上最も安全とされるA380においても、エンジンの信頼性が改めて問われる契機となりました。

ボーイング787試験機でもトラブル発生

さらにその数日後の11月9日、米ボーイング社が開発中だった次世代旅客機「ボーイング787 ドリームライナー」の試験機(ZA002)が、アメリカ南部のテキサス州で試験飛行中に機内で煙が発生し、緊急着陸する事態が発生しました。
原因は配電盤のショートとみられ、火災こそ起きなかったものの、全試験飛行が一時中断され、機体設計や電装システムの見直しが求められました。


2015年(平成27年)11月1日~11月10日の出来事

【国内】東京都渋谷区が全国初の「パートナーシップ証明書」を交付

2015年11月5日、東京都渋谷区は条例に基づき、同性カップルを「結婚に相当する関係」として認める仕組みの下で同性カップル向けのパートナーシップ証明書を初めて交付しました。これに合わせて同日、世田谷区も同性カップルからの「パートナーシップ宣誓書」の受け付けを開始し、行政が同性カップルの関係性を公的に認める取り組みが始まりました。渋谷区は2015年3月にこの分野の条例を可決しており、年内に運用を開始するとしていた流れを受けたものでした。

背景としては、地方自治体レベルでの同性カップルの法的・社会的認知を求める市民運動やLGBTの権利擁護の機運が高まっており、渋谷区はその先駆的な制度設計を行った点が注目されました。導入後は、証明書を交付されたカップルが区の福祉サービスや住宅、病院での面会等で一定の便宜を得られるケースが生まれ、他の自治体にも追随の動きが広がりました。

最終的にこの取り組みは全国の自治体に波及し、パートナーシップ制度は日本各地で導入が進むきっかけとなりましたが、法律上の婚姻と同等の効力を持つかどうかは国の法制度では別問題として議論が継続しました。(日本における同性結婚

【国際】ミャンマー総選挙でNLDが圧勝、長年の軍支配からの政治転換へ

2015年11月8日、ミャンマーで総選挙が実施され、アウン・サン・スー・チーが率いる野党・国民民主連盟(NLD)が大勝しました。開票の結果、NLDは議会で圧倒的多数を獲得し、事実上の政権交代が実現する形となりました。これは長年にわたる軍事支配からの大きな政治的転換点として国際的に注目されました。

経緯としては、2010年の国政選挙以降に始まった政治改革と民主化プロセスの延長線上に位置する選挙であり、NLDの圧勝は2012年の部分選挙での回復に続く成果でした。選挙後、NLDは議会で主導権を握り、アウン・サン・スー・チーは憲法上の制約(大統領就任を阻む条項)にもかかわらず、「国家顧問」というポストを創設し、実質的な国政の指導者として影響力を行使しました。

最終的にはNLD政権が成立し、民主化への期待が高まりましたが、その後の政治過程では軍とNLDの権力配分、民族問題、統治能力の課題が残りました。2015年の選挙で得られた民主的成果が一時的に実用化された一方で、数年後の政治情勢変化(2021年の軍によるクーデターなど)により、得られた進展が脆弱であることも露呈しました。


2020年(令和2年)11月1日~11月10日の出来事

【国際】コロナ禍での米大統領選挙と開票

2020年11月3日に実施されたアメリカ大統領選挙では、新型コロナウイルスの影響で期日前投票や郵便投票が大幅に増加し、開票作業が例年以上に長引きました。投票当日は各地で有権者の大量投票が行われたものの、特に激戦州では郵便票の集計が遅れたため得票集計の結果が数日にわたって変動しました。主要なニュースメディアは開票状況を逐次報道し、11月7日になって主要各社がジョー・バイデン候補の勝利を事実上確定と報じるに至りました。

コロナ禍で対面投票を避ける動きと、州ごとに異なる郵便投票の扱い・集計ルールが重なったことで集計の長期化を招きました。開票後はトランプ陣営が複数州で不正を主張して訴訟や再集計を求めましたが、裁判所の多くは証拠不十分としてこれらの訴えを退けました。

最終的には各州で選挙結果が認定され、ジョー・バイデン氏は2021年1月20日に第46代大統領として就任しました。一方で一連の争点は米国内の政治的分断を深め、開票過程を巡る不信が残った結果、2021年1月6日の米連邦議会議事堂襲撃事件など深刻な政治的波紋を引き起こしました。

【国内】秋篠宮文仁親王の「立皇嗣の礼」が実施される

2020年11月8日、秋篠宮文仁親王の皇位継承順位を公的に確認する儀式である「立皇嗣の礼(りっこうしのれい)」が皇居で行われました。本来は2020年4月19日に規模を縮小して実施する予定でしたが、新型コロナウイルスの流行を受けて延期となり、11月に入って感染対策を講じたうえで改めて実施されました。儀式は参列者を大幅に絞った簡略化された形式で行われ、国内外の来賓・一般参列は制限されましたが、公的に秋篠宮が皇嗣(皇位継承者)としての立場を示す重要な手続きが完了しました。

背景には、令和改元に伴う皇位継承の形式的整備の一環として、皇嗣の地位を明確にする必要があったことと、同時にコロナ禍で国民の安全を最優先する配慮があったことが挙げられます。儀式後は国内の公的行事として記録され、皇室の公式行事は以降も感染対策を踏まえた運営が続きました。長期的には「立皇嗣の礼」は皇室の継承順を公式に確認する節目として位置づけられ、その後の皇室行事や公務の調整にも影響を与えましたが、式の簡略化を巡っては賛否両論の声が上がり、国民的な議論も一時的に呼びました。


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