前回、映画館に欠かせない定番スナック「ポップコーン」の歴史やマーケティング戦略について深掘りしましたが、今回はその延長として「各国の映画館では何を食べているのか?」をテーマに、世界の事情を探ってみました。
ポップコーンは世界共通の定番ではない?映画スナックに見る“食文化の多様性”
アメリカを中心に広がった「映画館=ポップコーン」のイメージ。しかし、世界を見渡せばこの“常識”は通用しません。各国には、その土地ならではの食文化やライフスタイルに根差したスナックが存在しています。今回は、そんな国別の映画館スナックを比較してみました。
1. アメリカ|フレーバーポップコーン天国、ドリンクもビッグサイズ
ポップコーン文化の本場・アメリカでは、塩・バターの基本に加え、チェダーチーズ、サワークリーム&オニオン、バーベキューなど多種多様なフレーバーが楽しめます。サイズ感もアメリカらしく、Lサイズのポップコーンに1リットル級のドリンクが定番。映画を「食べながら楽しむ」スタイルが完全に定着しています。
2. 韓国|キャラメルチーズ&チキンで“映画+食事”を満喫
韓国の映画館では、「キャラメルチーズポップコーン」が人気No.1。さらに、チュロス、ホットドッグ、さらにはフライドチキンまでメニューに並ぶなど、食事感覚のフードが豊富です。カップルが一緒にシェアして楽しむ文化も根付いており、映画館はちょっとしたデートスポットでもあります。
3. インド|サモサとマサラチャイで長尺映画に備える
3時間超えも珍しくないボリウッド映画では、途中に「インターバル(休憩)」が設けられるのが一般的。ここで人気なのが、スパイスが効いたサモサやパコラ(揚げ野菜)、そして温かくて甘いマサラチャイ。映画館でもしっかり“食べる”ことを前提とした文化が形成されています。
4. メキシコ|チリソース×スナックで刺激的な映画体験
メキシコの映画館では、チリソースをかけたナチョスが定番。ポップコーンやピーナッツにもチリパウダーがふんだんに使われ、タマリンドソースをかけた甘辛スナックも人気。味覚にもインパクトを求める、まさに「食」でもエンタメを楽しむスタイルが根付いています。
5. 日本|多彩なフレーバーと“静かに楽しむ”マナー重視の文化
日本でもポップコーンは定番中の定番。バター醤油、明太子、抹茶などのユニークなフレーバーも人気です。チュロスやフライドポテト、ホットドッグなども販売されていますが、韓国やアメリカに比べると比較的軽め。映画中は音を立てず、静かに観るマナーが重視されているため、スナック選びもその配慮が見えます。
6. ヨーロッパ&中国|個性が光る各国の映画スナック
イギリス
塩味派とキャラメル派で好みが分かれるポップコーン文化。ソフトドリンクだけでなく、ビールを片手に映画を観るスタイルも一般的です。
フランス
飲食を控える傾向があり、作品への集中を優先。軽食は売っているものの、種類は限られています。
中国
ポップコーンに加えて、甘栗やドライフルーツ、ひまわりの種といった健康志向のスナックが人気。
映画館スナックに見る“国民性”──味だけじゃない文化の違いに注目
映画館で食べられるスナックを比べていくと、食文化だけでなく、映画の楽しみ方やマナー観にもその国の価値観が色濃く表れていることが分かります。ポップコーンひとつとっても、味・サイズ・食べるタイミングなど国ごとの違いは非常に興味深いポイント。
海外旅行や留学で現地の映画館に足を運ぶ機会があれば、ぜひスナック売り場もチェックしてみてください。言葉がわからなくても、その国ならではの映画を楽しむスタイルで“その国の映画文化”を肌で感じられるはずです。
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