20年前、15年前、10年前、5年前の今頃に起きた主な出来事を振り返ります。時代ごとのニュースや社会の動きを通じて過去を知り、今を考えるヒントにしてみましょう。
2005年（平成17年）6月1日〜6月7日
【国内】対馬沖で韓国漁船を拿捕
2005年6月1日未明、長崎県対馬市沖の日本の排他的経済水域（EEZ）内で、韓国のアナゴ漁船「神風号（シンプン）」が日本の海上保安庁に拿捕される事件が発生しました。
5月31日午後11時30分ごろ、海上保安庁の巡視艇「たつぐも」が、対馬市の三ツ島灯台北東約50キロの海域で「神風号」を発見し、停船命令を出しました。海上保安官2人が立ち入り検査のために乗船しましたが、同船は2人を乗せたまま約2時間半にわたり逃走し、6月1日午前1時50分ごろ、同灯台から北北東約60キロの公海上で韓国海洋警察庁の警備艦に横付けして停船しました。
この事件は、日韓両国の排他的経済水域における漁業権や海上警備の在り方についての議論を呼び起こしました。また、海上での取り締まりや対応の難しさ、国際的な法的枠組みの重要性が再認識される契機となりました。
【国内】クール・ビズの導入開始
2005年6月1日、政府主導の省エネ対策「クール・ビズ」が始まりました。ネクタイや上着の着用を控えることで、冷房の使用を抑え、地球温暖化防止を目指す取り組みです。
2020年代以降もクールビズは夏のビジネススタイルとして定着し、毎年5月から9月までの期間に実施されています。また、環境省は「クールシェア」や「グリーンカーテン」といった関連施策も推進し、持続可能なライフスタイルの普及を図っています 。
2010年（平成22年）6月1日〜6月7日
【国際】イスラエルによるガザ支援船団への攻撃
2010年6月1日、トルコなどの支援団体がガザ地区へ人道支援物資を運んでいた船団を、イスラエル軍が公海上で襲撃し、少なくとも9人が死亡する事件が発生。国連安全保障理事会は緊急会合を開き、イスラエルの行動を非難し、国際的な調査を求める議長声明を発出しました。
2010年9月、国連人権理事会の調査団は、イスラエル軍の行動が「不必要で過剰な暴力」であり、国際人道法および人権法に重大な違反があったと結論づけました。報告書によれば、死亡した9人のうち6人は即決処刑の被害者であり、2人は重傷を負って自衛できなくなった後に射殺されたとされています。
【国内】鳩山首相と小沢幹事長が辞任、菅直人氏が新首相に就任
2010年6月2日、鳩山由紀夫首相が米軍普天間基地の移設問題などでの公約未達成を理由に辞任を表明しました。同時に、民主党の小沢一郎幹事長も辞任を発表し、政界に大きな衝撃を与えました。
2010年6月4日、鳩山内閣が総辞職。鳩山首相の辞任を受けて、民主党の菅直人氏が第94代内閣総理大臣に選出されました。菅氏は、経済再建や政治とカネの問題への対応を最優先課題とする姿勢を示しました。
2015年（平成27年）6月1日〜6月7日
【国内】日本年金機構で個人情報約125万件が流出
2015年6月1日、日本年金機構は、約125万件の年金加入者の個人情報が不正アクセスにより流出したと発表しました。これは、職員がウイルス付きのメール添付ファイルを開封したことが原因で、標的型攻撃によるものでした。流出した情報には、基礎年金番号、氏名、生年月日、住所などが含まれており、機構は該当者に対して基礎年金番号の変更や個別連絡を行いました。
この事件を受けて、厚生労働省は「日本年金機構不正アクセス事案検証委員会」を設置し、再発防止策の検討を進めました。また、消費者庁や日本年金機構は、流出した情報を悪用した詐欺や個人情報詐取に対する注意喚起を行い、国民に対して警戒を呼びかけました。
【国内】公職選挙法改正案が衆議院を通過、選挙権年齢を18歳以上に引き下げ
2015年6月4日、選挙権年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる公職選挙法改正案が衆議院で全会一致で可決されました。
2015年6月17日に参議院でも全会一致により可決され成立しました。この改正により、約70年ぶりに選挙権年齢が見直され、約240万人の当時の18歳・19歳が新たに有権者として加わることとなりました。
この法改正は、2014年に成立した改正国民投票法で国民投票の投票年齢が18歳以上に引き下げられたことを受け、選挙権年齢も国際的な標準に合わせる形で実現しました。改正法の成立により、国政選挙だけでなく、地方自治体の首長や議員選挙、最高裁判所裁判官の国民審査、地方自治体のリコール請求による住民投票などにも18歳以上の投票が可能となりました。
2020年（令和2年）6月1日〜6月7日
【国内】全国で一斉に花火を打ち上げ、新型コロナ終息を願う
2020年6月1日、新型コロナウイルスの終息を願い、全国約160の花火業者が参加する「Cheer up！花火プロジェクト」が実施されました。このプロジェクトでは、午後8時から約5分間、全国各地で一斉に花火が打ち上げられました。感染拡大防止のため、打ち上げ場所は事前に公表されず、観覧客の密集を避ける工夫がなされました 。
【国内】宝塚市でボーガンを使用した殺傷事件が発生
2020年6月4日、兵庫県宝塚市の住宅街で、23歳の無職男性・野津英滉容疑者がボーガン（クロスボウ）を使用し家族3人を殺害、1人に重傷を負わせた殺傷事件が発生しました。この事件は、家庭内での凶悪犯罪として社会に大きな衝撃を与えました。
この事件を受けて、兵庫県は2020年10月にボーガンの所有者に届け出を義務付ける条例を制定しました。これにより、2021年6月時点で県内では213台のボーガンが届け出られました。また、政府もボーガンの所持を許可制とする銃刀法の改正案を国会に提出し、所持には公安委員会の許可が必要となるなど、規制強化の動きが進められています。
あっという間に過ぎていく日々の中でも、過去を振り返ることで見えてくるものがあります。
「あのとき、こんなことがあったんだ」と知ることで、今を少し違った角度から見るきっかけになるかもしれません。
これからも、そんな“時のヒント”を一緒に探していきましょう。
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