サクッと軽い食感に、やみつきになる塩加減。
誰もが一度は手にしたことのあるお菓子、ポテトチップス。実はその誕生には、ちょっとした“事件”が関係していたことをご存じでしょうか?
今回は、そんなポテトチップスの誕生エピソードについて紹介していきます。
ポテトチップスは「怒れる客」と「意地っ張りシェフ」から生まれた!?
ポテトチップスの起源として語られているのは、1853年・アメリカのニューヨーク州サラトガスプリングズ。
リゾート地にあったレストラン「ムーン・レイク・ハウス」で起きたとされるエピソードです。
このレストランで働いていた料理人ジョージ・クラムのもとに、ある日「フレンチフライ(フライドポテト)が厚すぎる」と不満を訴える客が現れます。
何度出しても「もっと薄く!」と返され、とうとうクラムは意地になり——
紙のように極薄にスライスしたジャガイモを、カリカリになるまで揚げ、大量の塩をふって提供します。
これは嫌がらせのつもりだったのですが……なんと客に大好評!
こうして、皮肉から生まれた料理が、後に“ポテトチップス”として世界中に広まることになるのです。
「サラトガ・チップス」として地元で人気に
この薄くてパリパリの新しい料理は「サラトガ・チップス」と名付けられ、レストランの正式メニューに。
口コミで評判を呼び、地元で一躍人気の一品となりました。
1920年代には、カリフォルニアのローラ・スカッダーによって防湿包装の技術が確立され、ポテトチップスの長期保存が可能になりました。
この包装技術の登場により、袋詰めポテトチップスの大量生産と全国流通が現実のものとなり、スナック菓子としての地位を確立していきます。
日本に伝わったのはいつ?国産ポテトチップスの登場
日本では、当初はアメリカからの輸入品が一部で流通していた程度でした。
日本で広く普及したのは1950年代以降。1962年に湖池屋が「湖池屋ポテトチップス のり塩」を発売し、続いて1975年にはカルビーがポテトチップスの製造に参入。
これにより、ポテトチップスは一気に国内で認知され、家庭でも定番のお菓子として定着します。
その後、日本ならではの味覚に合わせて、コンソメなどの独自フレーバーも登場。
今では季節限定・地域限定など、実に多彩なバリエーションがコンビニやスーパーを彩っています。
まとめ:身近なお菓子に隠された“発明”の物語
私たちが日常的に手にするポテトチップス。
そのルーツには、お客のしつこいクレームと料理人のちょっとした反抗心という“意地の張り合い”があったのです。
まさに、「失敗」が「発明」に変わった瞬間。
次にポテトチップスを食べるときは、この誕生秘話を思い出してみてください。
「こんなに美味しいものが、クレームから生まれたなんて!」
そんな驚きとともに、もっと味わい深く楽しめるかもしれません。
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