【あの日の出来事】過去の12月21日から12月31日【そのとき何してた?】

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過去のこの期間、世の中では何が起きていたのでしょうか?20年前・15年前・10年前・5年前の出来事を振り返ってみます。日々のニュースと照らし合わせて、過去の出来事がどのように現在につながっているのか見えてくるかもしれません。


2005年(平成17年)12月21日~12月31日の出来事

【国内】JR羽越本線特急「いなほ14号」が脱線

2005年12月25日、山形県庄内町を走行していたJR羽越本線の特急電車「いなほ14号」(新潟発・秋田行き)が脱線・横転する重大事故が発生しました。この事故により乗客5人が死亡し、33人が負傷しました。

事故が起きたのは、庄内町の北余目駅付近で、現場周辺では日本海側特有の猛烈な突風が吹いており、列車はその影響を受けて脱線したとみられました。列車は高架区間を走行中で、先頭車両を含む複数の車両が大きく傾き、横倒しになる形で停止しました。クリスマス当日の昼間ということもあり、車内には多くの乗客が乗っていました。

事故後、警察や消防、自衛隊などによる大規模な救助活動が行われ、負傷者は周辺の医療機関に搬送されました。国の運輸安全委員会(当時は航空・鉄道事故調査委員会)が調査に乗り出し、自然災害級の突風(ダウンバーストや竜巻に近い現象)が事故の主因であった可能性が指摘されました。

その後の検証を経て、JR各社では強風時の運行基準の見直しや、風速計の増設、規制区間の拡大などが進められました。この事故は、自然現象と鉄道安全の関係を社会に強く問いかけた出来事として、以後の日本の鉄道における防災・安全対策に大きな影響を与える結果となりました。

JR羽越本線脱線事故 - Wikipedia

2010年(平成22年)12月21日~12月31日の出来事

【国際】北米を襲った連続的な大規模自然災害

2010年12月22日~27日、米国東部およびカナダを中心に、シーズン初の大規模な吹雪(ブリザード)が発生しました。ニューヨーク、ボストンなどの大都市圏を含む広範囲で大雪と暴風が観測され、空港の閉鎖や鉄道・道路の寸断、停電など、社会インフラに深刻な影響が出ました。この吹雪は2010〜2011年冬シーズンにおける最初の本格的な冬嵐として位置づけられ、都市部でも例年を上回る積雪と強風が記録されました。

さらに年末の12月30日から翌2011年1月1日にかけて、米国中西部から南部にかけて大規模なトルネードアウトブレイクが発生しました。複数の州で竜巻が相次いで確認され、住宅や商業施設に甚大な被害が出たほか、死傷者も発生する深刻な災害となりました。冬季としては異例の規模であったことから、異常気象への警戒や防災体制のあり方が改めて議論される契機となりました。

この一連の災害は、北米の2010年末が極めて不安定な気象条件下にあったことを象徴する出来事として記憶されています。

December 2010 North American blizzard - Wikipedia
2010 New Year's Eve tornado outbreak - Wikipedia

 【国内】スカスカおせち事件

2010年12月31日、神奈川県横浜市のレストラン「バードカフェ」が製造し、共同購入型クーポンサービス「グルーポン・ジャパン」を通じて販売されたおせち料理をめぐり、深刻なトラブルが表面化しました。購入者のもとに届いたおせちは、写真や説明と比べて内容量が極端に少なく、品質面にも問題があるとして苦情が相次ぎました。

料理を受け取った購入者が実物の写真や体験談をインターネット上に投稿したことで批判が一気に拡散し、年末年始をまたいで大きな炎上騒動へと発展しました。この出来事は後に「スカスカおせち事件」と呼ばれるようになり、グルーポンをはじめとする共同購入型ビジネスモデルの信頼性や、事業者側の品質管理体制に厳しい目が向けられるきっかけとなりました。

最終的に返金対応などが行われましたが、急成長していたクーポンビジネスの脆弱性を社会に強く印象づけた事件として、2010年末の象徴的な出来事の一つとなりました。

スカスカおせち事件 - Wikipedia

2015年(平成27年)12月21日~12月31日の出来事

【国際】慰安婦問題に関する合意「最終的かつ不可逆的な解決」を確認

2015年12月28日、日本政府と韓国政府は、長年にわたり両国関係の大きな懸案となっていた慰安婦問題について、外相会談を通じて合意に達しました。この合意では、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決される」ことを両国が確認した点が最大の特徴でした。

背景には、戦後70年を迎える中で日韓関係の改善を模索する動きがあり、米国を含む国際社会からも両国の関係安定化を求める声が強まっていました。合意内容としては、日本政府が元慰安婦への支援を目的として10億円を拠出し、韓国政府が設立する財団を通じて支援事業を行うこと、また韓国側が在韓日本大使館前の慰安婦像問題について「適切に解決されるよう努力する」と明記されたことなどが盛り込まれました。

この合意により、両政府間では一応の決着が図られたものの、韓国国内の世論や被害者団体からは合意手続きや内容への反発も強く、後年には韓国政府による合意の事実上の見直しにつながりました。その結果、合意は外交史上の重要な節目であると同時に、日韓関係の難しさを改めて浮き彫りにする出来事ともなりました。

慰安婦問題日韓合意 - Wikipedia

【国内】日本の新元素発見が正式認定

2015年12月31日、国際純正・応用化学連合(IUPAC)は、新たに報告されていた4つの元素、113番・115番・117番・118番元素について、いずれも発見を正式に認定したと発表しました。このうち113番元素は、日本の理化学研究所(理研)の研究グループが発見したものと認められ、日本が命名権を獲得することとなりました。

113番元素の探索は2000年代初頭から続けられており、重イオン加速器を用いた極めて高度な実験と、長年にわたるデータの積み重ねによって発見が裏付けられました。新元素の発見は極めて難易度が高く、これまで主に欧米やロシアの研究機関が中心となってきた分野であり、日本、そしてアジアの研究機関が初めて成し遂げた快挙として注目されました。

その後、113番元素は日本にちなんで「ニホニウム(Nh)」と命名され、周期表に正式に加えられました。この出来事は、日本の基礎科学研究の水準の高さを国際的に示す象徴的な成果となり、科学技術立国を掲げる日本にとって大きな自信と評価につながりました。

ニホニウム - Wikipedia

2020年(令和2年)12月21日~12月31日の出来事

【国際】英国由来の新型コロナ変異株が国際的に拡大

2020年12月下旬、英国で確認された新型コロナウイルスの変異株(後に「アルファ株」と呼ばれる系統)が、従来株より感染力が高い可能性があるとして国際的な警戒を呼びました。英国国内では感染者数が急増し、ロンドンを含む地域で厳格な行動制限(事実上のロックダウン強化)が実施されました。この動きを受け、欧州各国やアジア、北米などでは、英国からの入国制限や航空便の停止といった緊急措置が相次ぎ、年末の国際往来は大きく制限されました。

日本政府もこの状況を重く受け止め、2020年12月下旬に英国からの新規入国を原則停止する措置を決定しました。また、すでに入国していた渡航者に対しても検査体制を強化し、変異株の国内流入を警戒しました。さらに年末から年始にかけて、水際対策の一層の厳格化が進められ、全世界からの入国者に対する検査や待機要請の見直しが検討・実施されました。

この変異株の拡大は、ワクチン開発が進みつつあった世界に「感染症対策はなお流動的である」という現実を突きつけ、各国の公衆衛生政策や経済活動に大きな影響を与えました。その後、日本国内でも変異株感染例が確認され、2021年にかけて継続的な監視と対策強化が求められることになりました。

【国内】「赤チン」製造終了、水銀規制の影響が現実に

2020年12月24日、傷口の消毒液として長年親しまれてきたマーキュロクロム水溶液(通称:赤チン)について、国内で最後まで製造を続けていた三栄製薬(東京都世田谷区)が、この日をもって製造を終了しました。

背景には、国際的な環境条約である「水銀に関する水俣条約」の発効があります。同条約により、水銀を含む製品は2020年12月31日以降、原則として製造・輸出入が規制対象となりました。赤チンは微量ながら水銀化合物を含むため、条約の対象となり、継続製造が不可能となったのです。

この出来事は、時代とともに医療・衛生の常識が変化してきたこと、そして環境・健康リスクへの国際的な意識の高まりを象徴する出来事として、多くの人々に受け止められました。以後、消毒は無色の消毒液やアルコール製剤が主流となりました。

マーキュロクロム液 - Wikipedia

【国内】第71回NHK紅白歌合戦、史上初の無観客開催

2020年12月31日、第71回NHK紅白歌合戦が放送されました。この年の紅白は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、1951年の放送開始以来初めてとなる無観客形式での開催となりました。

例年であれば観客の声援や会場の熱気が特徴の番組ですが、この年は出演者・スタッフの動線管理や事前収録の活用、演出の工夫など、感染対策を最優先した特別な構成が取られました。会場の静けさとテレビ演出の対比は、視聴者に強い印象を残しました。

この無観客紅白は、2020年というコロナ禍の年を象徴する出来事の一つとなり、「日常」が大きく変化した中でも年末の風物詩を継続しようとする放送の姿勢を示すものとなりました。

第71回NHK紅白歌合戦 - Wikipedia

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